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矯正歯科とは歯並びをきれいにする歯科治療(歯列矯正)です.一般的な歯科や審美歯科では歯を削って歯並びをきれいにしますが,矯正歯科では歯を削らすに移動する事で歯並びをきれいにします.そのため,普通の歯科とは治療のシステムが異なり,患者さんには様々な疑問が湧いてきます.そこで私たち矯正歯科専門医が患者さんからよくいただく質問を定期的に掲載していきます.
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質問


就職活動などで治療中の矯正装置を2〜3ヶ月の間だけ
一時取り外してもらうことはできますか?
そういった場合、追加料金などはかかるのでしょうか?


回答


はじめまして。質問者さんはまだ矯正治療を始めていないという前提でお話いたします。
 矯正治療はどうしても期間の掛かるものですので、その間、就職活動に限らず、結婚式や成人式あるいは大事な発表会、モデルや芸能関係者のオーディションや舞台など、必要に応じて装置を一時的に外すことはどこの医院でも少なからずあることです。
 装置を一時的に外すにしても、装置をどこまで外すか(奥歯からすべて撤去しないといけないか、見えるところだけ外すか)、外しておく期間はどのくらいか、矯正治療を始めてからどのくらい経っているか(始めてまもなくか、もう終了間際か)、始めの不正咬合は何だったか、治療方針は(ことに抜歯か非抜歯か)などによって対応はそれぞれ違ってきます。
 質問者さんはいま何年生で、いつから矯正治療を始めたいと考え、いつから就職活動を開始されるのでしょうか。就職活動のために最長3ヶ月ぐらい装置を外したいというご希望ですが、3ヶ月間の装置撤去はかなり長期ですので、場合によっては、就職活動が終わってから治療を開始される方が無難だという気がします。
 いづれにしましても、必要があれば一時的に装置を外すことは可能ですが、トラブルを避けるためにも、治療を始める前に先生とよく相談されることをお勧めします。また、再装着時に別途の費用を請求されるかどうかは、基本的には無料だと思いますが、すべてはその矯正歯科医院(先生)の考え次第です。この点も含めて、あらかじめよく確認してから治療に臨んでください。



矯正歯科
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質問


これから矯正を始めようと思っているのですが、矯正歯科へ行ったところ親知らず2本を入れて計7本の抜歯が必要だと言われました。
抜歯をする歯は、親知らずを抜かして殆どが虫歯の治療した歯であり、銀歯となっています。抜歯する本数が左右非対称であっても問題はないのでしょうか?
また下の歯は両方とも第一大臼歯を抜く予定なのですが、大きな歯を抜いてしまっても
噛む力や噛み合せに問題は出てこないのでしょうか?

宜しくお願いいたします。


回答


はじめまして。<親知らず2本を入れて計7本の抜歯>というのは、変則的であることは確かですが、考えられないことではありません。<抜歯をする歯は殆どが虫歯の治療した歯>というのが抜歯の選択になった理由だと考えられます。
 質問者さんの年齢や不正咬合の状態、虫歯や歯周病の有無など詳細はわかりませんが、変則的な抜歯であるだけに、治療後の咬合状態について、できれば(多分、先生は作っているかと思いますが)セットアップ・モデル(治療後を想定した歯型模型)を作ってもらって、目で確かめながらもう一度確認のための説明を受けることをお勧めします。

 抜歯する本数が左右非対称であることは望ましいことではありませんが、先生は方針上やむを得ず抜歯するはずで、非対称であることの“埋め合わせ”は何らかの形で悪影響の無いように仕上げるはずです。上に述べたセットアップ・モデルですべては一目瞭然なのですが、無ければ歯列弓(放物線状にならんだ歯並びのこと)を図化したもので説明してもらっても解り易いかと思います。
 ちなみに、少し解剖学的なお話をしておきますと、まず、歯列弓は上下左右四分割して考えます。そして、ヒトの歯は、真ん中から奥に向かってそれぞれ8本あり、中央から1番〜8番までの番号がついています。8番目は一番奥の歯でこれが親知らずです。つまり、親知らずは8番と呼ばれ、8番といえば親知らずを指します。歯列弓は四分割で考えますから、たとえば右上の親知らずは右上8番となり、左上3番は左上の犬歯ということになります。
 矯正治療においては上下左右第一小臼歯(4番)の抜歯がもっとも一般的で、それにはそれなりの理由があるのですが、少なくとも質問者さんは、解剖学的にどこの歯を抜くのか、その結果どの歯が残るのかは、目と言葉(何番か)で知っておいた方が後々のためにいいと思います。
 下の左右(に限らず)第一大臼歯(6番)は出来るだけ抜きたくない歯ですが、これを残して健全な歯を抜いて治療したとして、治療後にその6番が悪化して万一抜歯にでもなった場合、こんどは入れ歯(義歯、ブリッジあるいは可能であればインプラント)にするしか手はありません。それを考えて下顎は“やむを得ず”6番の抜歯に踏み切ったと考えられます。少し酷な言い方をすれば、質問者さんの歯の手入れがもう少しでもよければ、6番抜歯は避けられたと推測されます。
 歯は一生のもの、食のありがたさは歳を経るほどに身に沁みて分かるものです。今日からでも歯を大切に、正しい歯のお手入れを心掛けてください。


矯正治療
質問


はじめまして。30才を目前にし、以前から興味のある矯正につき質問があります。
どうぞ宜しくお願い致します。

自分の横顔のラインが以前よりコンプレックスです。貴医院の治療例なども
拝見しました。顎変形症という症例がありましたが、自分の場合はすごい出ているとかではないのですが、それでも鼻から下が横から見ると出ています。家族は気にしすぎだよ、とは言いますがやはり、写真等で見るとちょっと出ているなぁと思います。

歯並び自体はパッと見は悪くはありません。それでも前歯が1つ前にでは
なく奥に入っています。口も意識しないと閉じているよりも少し空いている方が
楽な感じもします。親不知が生えてから余計何となく噛み合わせも悪く口元も出てきた気がしています。

前置きが長くなりましたが、私の様な口元は矯正によってこの年齢でも綺麗にできる可能性はありますでしょうか?もちろん、生まれつきの骨格によるものかもしれませんが矯正でいわゆるEラインを綺麗にする事は可能でしょうか?
口の中をお見せしたわけではないので、お返事しにくいかと存じますが宜しくお願い致します。


回答


はじめまして。口の中の状態や顔貌についてそれなりに詳しく記述されておりますが、質問者さんもお書きのように、実際に歯並びや口元を拝見していないので断定的なことはいえません。以下はあくまでも一般論としてご理解ください。
 まず「矯正治療は美しくなるためだけに行われるものではなかろうが、美しくなるために行われるべきものである」という恩師の言葉は、矯正治療を受けようとする患者さんの80%以上が<審美性>を主訴としていることを考えれば、矯正医として至極当然の心構えといえます。
 「美しい(美)」とは何かと問われてキチンと答えられるほどの知識はありませんが、少なくとも矯正治療における美とは、調和であるということができます。もう少しむずかしい言い方をすると「矯正治療における審美の基本は、顔面を含めた口腔周囲の硬組織および軟組織の機能的調和である」といえます。硬組織とは歯や顎(骨)といった硬い部分、軟組織とはそれを包む唇や頬などの“肉”の部分です。美は外側の肉の部分で評価されますが、その部分を直接変化させることは基本的にできないので、内側にある硬組織(歯や顎)を変える(矯正する)ことで、結果として軟組織つまり口元や顔貌を変化させるわけです。
 矯正治療上の目的をただ咬み合せだけに置くのでは次元が低く、硬組織を介して、つまり矯正治療によって、どこまで審美性を獲得できるかに目標と診療努力をするのが、高次元の矯正治療だということがいえます。次元の高低は治療方針に表れます。

 <矯正によってこの年齢でも綺麗にできる可能性はあるか?>というご質問ですが、いうまでもなく健全な歯と顎があれば年齢に制限はありません。そして、ある次元以上の矯正医であれば、質問者さんの持っている資質の中から、最大限の美を引き出すべく診療努力をするはずです。
 質問者さんは<自分の横顔がコンプレックス>と書かれています。<家族は気にしすぎ>と言うとしても質問者さんのコンプレックスは解消してくれません。質問者さんは少なくとも以前から矯正に興味を持ち、矯正治療を前向きに考えているのであれば、まず一度矯正専門医の門を叩いても損ではないはずです。
 ただし、矯正治療に際しては、まず抜歯が必要になるだろうことを心に用意しておくことが必要です。逆に、非抜歯治療(歯を抜かない矯正治療。ある意味で、歯を抜かないことだけが至上目標になっている治療)を謳った矯正医のところで相談すると、質問者さんのコンプレックスは解消されない治療がなされることになりかねません。これを低次元と表現しました。

 まずは納得のいく矯正医に相談され、理解の上で高次元の矯正治療を受けられることをお勧めします。


矯正治療
質問


「歯並びと発音」についてなのですが
下顎が後退しているのと、上顎1番が出ている出っ歯の形で
上1,2番部分に(下から見ると)1cm程の隙間があるのですが
こういうのは発音の妨げになったりしているのでしょうか。
(空気の漏れが大きいなどで)

自覚症状(?)としては、サ行(シャなども含め)が言いづらいかなぁと思っています。
アナウンサーなどは見た目もありますが、発音のために矯正する方もいますし
外国(特にアメリカなど)の方がよく矯正されるのは、歯並びが悪いと
発音できない音があるからだという話を聞きました。
日本語は外国語と比べてさほど難しくない発音かとは思いますが
それでも障害は出てくるものなのでしょうか?

舌の使い方が(歯並びによって等の口腔内での問題で)悪いというのもあるのでしょうか。
発音の言いづらい、またはなかなか言えないなどのことは
歯の並び、それに伴う舌の環境によるものなのでしょうか。


回答


英語のs,sh,z などを発音上、歯擦音(sibilant)といいます。この歯擦音は構音操作(発音の仕方)が比較的むずかしく、とくに口腔前方部(前歯の部分)に歯の欠損や咬合異常などの構造的欠陥があると習得が困難で、誤った構音になりやすくなります。
 その典型がs,sh,z などをth で発音してしまう、つまり舌を前歯で軽く咬んで、あるいは前歯の間に軽く舌を突き出して発音してしまうもので、これをlisp(リスプ)あるいはlisping(リスピング)といい、辞書ではこれを<舌足らずに発音する(こと)>と訳しています。
 構音(発音、発声)の仕組みは、歯や口蓋のような不動的器官と舌、口唇、軟口蓋などの可動的器官との働きによって成り立っていますが、リスピング(サ行の構音障害)は舌の異常行動に起因することが多く、一般にこれを舌癖(ことに舌突出癖)という言葉で表しています。
 舌癖の矯正は、原則的にはMFT(筋機能療法)と呼ばれる舌を中心とした口腔周囲筋のトレーニングによって行います。アメリカの小学校では、学校にスピーチ・セラピスト(言語療法士)を置いてリスピングの矯正指導を行っていると聞きますが、日本の言語療法士は、聾唖(ろうあ)や口蓋裂患者あるいは吃音患者に対応するだけで精一杯なため、舌癖に対するトレーニングは一部の(矯正)歯科医と衛生士がそれに対応しているのが実情です。ただ、MFTには限界があり、その療法に否定的な先生がいることも確かです。

 話が少々むずかしくなってしまいましたが、質問者さんの場合は、前歯部の咬合異常が主因となって舌癖を招来し、結果的にリスピングをもたらしたと考えられます。担当の先生に、サ行の構音障害(リスピング)、舌癖、MFTなどをキーワードに質問者さんの場合を尋ねられるのがいいと思いますが、このような知識を頭に入れたうえで、まずは矯正治療を進め、形態の改善(つまり前歯の咬み合せの改善)にともなって舌の行動型も改善されることを期待し、それでもリスピングが残るようであればMFTを考えても良いように思います。
 矯正治療とリスピングの改善がうまくいくように祈っています。頑張ってください。


矯正歯科
質問


はじめまして。去年の12月から矯正治療をしています。32歳の女性ですが、小学生の頃からアトピー性皮膚炎で、漢方治療とステロイド、抗アレルギー剤の内服などでコントロールしている重症のアトピーです。去年の4月ごろからは、かなり安定してきて、薬剤をほとんど使用しなくても良いぐらいになっていました。
しかし、矯正治療を始めた頃から、徐々に悪化してきたため、漢方を始めたのですが、以前ほどの効果がなく、矯正器具の金属アレルギーを疑っています。
ピアスでも、シルバーなどはすぐに痒くなるので、、、。
しかし、絶対かどうかはわからず、いったんはずすのも大変だと考えると、、、。

そこで質問ですが、皮膚科で現在使用している金属に対するパッチテストなど行ってもらえるのでしょうか?
それと、口腔内はただれたりしていませんが、金属が酸化したものが腸などが吸収されると(予想しているのですが)いう形で全身に徐々にアレルギーが出てくるものなのでしょうか?また、アレルギーが起こらない素材はありますか?矯正の値段は高くなるのでしょうか??よろしくお願いします。


回答


ご質問には大学からの回答も依頼いたしましたので追って回答があるかと思います。合わせて参考になさってください。
 まず<パッチテストを行ってもらえるか?>ということですが、これは矯正歯科で行うのではなく、皮膚科に依頼します。矯正装置として用いられている金属は、基本的にニッケルクロム合金(ステインレス・スチ−ル)がほとんどですが、最近の矯正装置には特殊な金属あるいは合金が使われることもありますので、担当の矯正医に相談して、皮膚科の先生にいくつかの金属アレルギ−検査をしてもらってはいかがでしょうか。
 一般に金属アレルギ−は接触した部分にアレルギ−反応を起すもので、矯正材料として用いている金属から考えても<金属が酸化したものが腸などで吸収され>というのはまず考えにくいことだと思います。ただ、これまでそのような経験(患者からの訴え)がないので分からないため、その可能性は皮膚科の先生に伺ってみてください。

 <アレルギーが起こらない素材>ということですが、金属アレルギ−が確かであれば、前歯には金属でないセラミックやコンポジットレジン(ポリカ−ボネイト)製のものを、奥歯には生体親和性の高いチタン製の装置を使うなどの対策が望ましいでしょう。それでも現在のところ、矯正用線(ワイヤ)だけは金属を避けることはできません。
 これらの矯正装置を使用することで費用が高くなるかどうか、通常は変わらないはずですが、アトピ−体質という特殊なケ−スですので、費用の点も含めて担当の矯正医に相談されれば、すべて前向きに考えてくれるはずです。
 一人で悩まず、まずは担当の先生とよく話し合ってみてください。


質問


いろいろと調べた結果、歯科大で金属アレルギーのテストが出来ることを知り、受けてきました。
パッチテストの結果は、ニッケルとコバルトと重クロム酸カリウムで1+でした。重クロム酸カリウムは、いわゆるクロムのことですか?硫酸クロムもあり、それは−でした。そして、以前に虫歯の治療をしてもらったときにかぶせてもらっている金属と、矯正装置の金属を採取してもらい、組成を調べてもらいました。
結果がわかったのですが、虫歯の治療での金属には含まれておらず、金銀パラジウム合金と言うものでした。しかし矯正装置には、ニッケル、鉄、クロム、銅が含まれていました。だから、パッチテストの結果は著明に強陽性の反応が出たわけでもないけれども、矯正装置がアトピーのトリガーと考えられると言われました。

良くなるかどうなるかはわかりませんが、アトピーもひどく、我慢できませんので、来週にはいったん装置をはずしてみようと思っています。今日、皮膚科にも行ったのですが、そういった経緯を話すと、金属アレルギーだろうとのことで、はずすとおそらく2週間ぐらいで良くなるだろうとのことでした。
高いお金を払っての治療なので、これで治らなければちょっとがっかりですが、仕方ないと思います、、。


回答


矯正歯科治療中に認められる金属アレルギーの多くはブラケットやワイヤーに含まれているニッケルによるもののようです.皮膚科もしくは歯科大学附属病院等でのパッチテストなどでアレルゲンの同定を行い,ニッケルが原因であればこれらを含まない装置を装着する必要があると思います.しかしアトピー性皮膚炎の治療薬の効果が低下したことと矯正治療もしくは矯正歯科材料との関連性の有無を明確にすることが先決だと思われるので,皮膚科の主治医と相談することをお勧めします.


矯正歯科
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